ロシア製、4×2、6000ccのトラック。モンゴルでは130の数時部分をモンゴル語読みして「ズィール・ゾーンゴチ」ともいう。設計上の積載量は知らないが、このタイプで6t積んでいるのが普通で、さらにトレーラー(6t積)を牽引しているケースが多く、明らかにパワー不足(日本の4t車で8000cc程度)。ちょっとした登りになるとひたすら水温計を注視し、80度あたりになると停車、ボンネットを開けて水を補給するの繰り返しで、場合によっては歩いてその坂を2往復できそうなぐらい、急な丘越えには時間がかかる。
燃料タンクは左右に装備していて160L×2で320L。さらに車によっては運転席直後の荷台部分に60Lの予備タンクを搭載し、床下のタンクが空になるとホースで注油する。これは町間の距離が長く、途中の小さなゲル集落の給油ポイントでは価格が高いための措置。ドライバーはリッター3km走るといっていたが、アルタイ〜ホブドで計算すると450kmを320Lでは走り切れず、結果リッター1km前半程度で燃費はひどく悪い(道路事情もひどいが)。
乗車したのはアルタイ→バヤンウルギー→ウランゴムの約850km。アルタイ→バヤンウルギーは630kmほどだが、所要49時間。ポルゴンやHYUNDAIのバンで行くより倍以上時間がかかった。これはスピードそのものが概ね20-40km台と遅いためと、休憩が頻繁なため。時間の制約がないのか、とにかく1.5-2時間走っては休憩(場合によっては修理)するので前に進まない。また、乗車したトラックのドライバーは夜通し走ることはせず、日が暮れてから2時間程度(11時過ぎ)で運転を打ち切ってしまい、翌朝も出発はかなり日が昇ってからという具合。こちらも特に急ぐ必要がなかったので、その移動速度はとても有り難く、運転席も定員の3人乗車でゆったり座れてトラックでの移動に味をしめる。しかし、毎回そういうわけには行かず、ウルギー→ウランゴム間は5人乗車の上に、夜間も走行し、さらに休憩の度に凍える大地の上でウォッカの回し飲みに半ば強制的に参加させられ、以後、一般的なバンでの移動に戻ることになった。
下の写真は ЗИЛ-131。6×6駆動の強力バージョン。